第21回|50代、仕事に疲れた。でも辞めるほどでもない。

仕事を辞めたいですか?

そう聞かれたら、「今すぐ辞めたいわけじゃない」と答えると思う。

仕事は嫌いじゃない。人に頼られるのも嫌いじゃないし、問題が起きれば何とかしたいと思う。長く働いてきた分、経験もある。「私がやった方が早い」と思うことも、まだたくさんある。

でも最近、「ちょっと疲れたな」と思うことが増えた。

管理職だから、仕方ない

イレギュラーなことが起きる。現場で問題が起きる。人が足りなくなる。急に誰かが休む。予定通りにいかないことなんて、仕事をしていれば当たり前にある。

そして管理職なら、その穴を誰かが埋めなければならない。時には自分の休日を返上する。

「管理職なんだから仕方ない」

ずっとそう思ってきた。実際、それも仕事のうちだと思う。

でも、その「仕方ない」が積み重なると、後回しになるのはいつも自分だった。

一番こたえたのは、家族のこと

遊びに行けないくらいなら、まだいい。ゴルフをキャンセルする。旅行を延期する。自分の予定を変える。それなら「仕事だから仕方ない」で済ませられる。

でも、家族が病気になったり、介護が必要になったりしたとき、同じようには思えなかった。

協力したい。そばにいたい。できることがあるならやりたい。でも仕事がある。立場がある。簡単には休めない。できることが限られてくる。

そんなとき、「私は何のために働いているんだろう」と思った。

生活のため。将来のため。もちろんお金は必要。仕事には責任もある。

でも、大切な人が大変なときに、自分が大切にしたいことを後回しにしてまで働くことが、本当に私が望んでいた働き方なんだろうか。

52歳になって、「これでいいの?」と思うことが増えてきた。

辞めたいわけじゃない

だからといって、「じゃあ仕事を辞めよう」とはならない。ここが50代の難しいところなのかもしれない。

収入は必要。老後のお金も準備したい。長く積み上げてきた仕事もある。仕事そのものが嫌いなわけでもない。

だから最近思う。

私が辞めたいのは仕事ではなく、仕事が人生の真ん中にある生活なのかもしれない。

仕事があって、その空いたところに自分の人生を入れる。今まではそんな生活だった。

これからは逆でもいいんじゃないか。

自分の人生があって、その中に仕事がある。52歳になって、ようやくそんなふうに思うようになった。

管理職も難しい時代になった

もう一つ、最近仕事をしていて難しいなと思うことがある。「〇〇ハラ」という言葉。

もちろん、パワハラはあってはいけない。昔なら許された指導でも、今は許されないものもある。それ自体はいい変化だと思う。

一方で管理職としては、「どこまで言っていいんだろう」と思う場面が増えた。

注意しなければいけない。育てなければいけない。でも言い方を間違えれば、相手を傷つけてしまう。

「指導」と「パワハラ」の間で、管理職のみんなはどうしているんだろう? これ、私だけじゃない気がする。

次の世代には、同じ働き方をしてほしくない

そして最近、AIを仕事で使うようになって、もう一つ思うことがある。

私たちが何時間もかけていた資料作成。情報整理。文章作成。考えをまとめる作業。今はAIがかなり助けてくれる。

だったら、「管理職だから自分を犠牲にするのは当たり前」という働き方も、そろそろ変わっていいんじゃないか。

後輩たちには、家族が大変なときには家族のところへ行ってほしい。自分の健康も大事にしてほしい。休みの日にはちゃんと休んでほしい。

それでも仕事が回る仕組みを作る。

もしかしたら、それを作ることも、今の私たち管理職の仕事なのかもしれない。

60歳まであと8年。その8年をどう使うかについては、以前にも考えたことがある。

50代。仕事との距離を変えてもいい

20代、30代、40代。十分仕事をしてきた。

だからこれからは、「もっと頑張るにはどうする?」だけじゃなく、「どう働けば、自分が大切にしたいものも守れる?」を考えてもいいと思う。

仕事を辞めるわけじゃない。責任を放り出すわけでもない。ただ、仕事と自分の人生の距離を少し変える。

50代は、そんな時期なのかもしれない。

私はまだ、その答えを探している途中。

でも少なくとも、「管理職だから仕方ない」だけで、自分の人生を後回しにするのは、そろそろやめたい。

そう思っている。



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Responses

  1. […] そもそも最近、私は仕事そのものより「仕事が人生の真ん中にあること」に疲れているのかもしれない。 […]

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  2. […] その後、私はもう少しはっきり「仕事そのものを辞めたいわけではない」と思うようになった。変えたいのは、仕事との距離なのかもしれない。 […]

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