第4回|52歳の私が、本気で老後のお金を計算してみた

前回、老後のお金は不安だけど、将来のために今を全部我慢するのも違うんじゃないか、ということを書いた。

じゃあ実際、私はいくらあれば安心なんだろう。

考えてみたら、ちゃんと計算したことがなかった。

なんとなく、「NISAは1,800万円まで埋めたい」「現金もある程度持っておきたい」そんなふうには考えていた。

でも、「ある程度」って、いくらなんだろう。

500万円?
1,000万円?
1,500万円?

全然わからない。だったら一度、本気で計算してみようと思った。

まず、60歳までにどこまで準備できる?

私は今52歳。現在、NISAには約400万円入っていて、毎月10万円を積み立てている。

目標はNISAの非課税保有限度額1,800万円を使い切ること。

ただ、ここでひとつ注意が必要だった。

NISAの1,800万円の枠は、今の評価額ではなく買付額(簿価)で管理される。だから、今のNISA残高が約400万円だからといって、そのまま「あと1,400万円」とは限らない。正確な残り枠は、証券会社の画面で確認する必要がある。

仮に今の400万円が買付額だとすると、今の月10万円の積み立てを60歳まで続けるだけでは、買付額として1,800万円には届かない。

じゃあ積立額を増やす? それとも60歳を過ぎても積み立てる? ここでもまた迷う。

なぜなら、NISAを1,800万円まで埋めることが、私の人生の目的ではないから。

ゴルフにも行きたい。美味しいものも食べたい。旅行にも行きたい。

将来のためにお金を貯めることは大切。でも、元気に動ける今の時間だって大切だ。

私の場合、家賃がずっと続く

そして私の老後を考えるうえで、大きいのが住まい。

私は持ち家ではなく賃貸。今の家賃は月15万円。

住宅ローンなら、いつか払い終わるかもしれない。でも賃貸は、住んでいる限り家賃が続く。

今の支出をざっくり出してみた。

家賃15万円、食費3万円、光熱費2万円、車5万円、ゴルフ7万円。これだけですでに月32万円。

スマホ代や日用品、医療費、美容、洋服、旅行や外食なんかを考えると、余裕を見て月35万円くらいは必要そう。

数字にすると、ちょっと怖くなる。

でも、60歳で完全に仕事を辞める必要はない

私は今の仕事を、このまま同じ働き方で60歳まで続けるのは難しいと思っている。

でも、「60歳になったら一切働かない」と決めているわけでもない。今の会社で働き続けることもできる。

管理職として今と同じように働くのではなく、負担を減らして、月10万円くらい働けたらいいなと思っている。

65歳からの年金は、今の見込みでは月18万5,000円ほど。もちろんこれは額面だから、実際に使える金額はもっと少なくなる。

そこで今回は、少し厳しめに手取り月16万円として考えてみた。

65歳以降も月10万円働けば、年金16万円+仕事10万円=月26万円。

思っていたより大きい。

「老後のお金は、貯金だけで全部準備しなきゃいけない」なんとなく、そんなふうに思っていた。でも、少し働くだけでずいぶん違う。

ゴルフはやめたくない(笑)

そして、私にとって大事なのがゴルフ。今は月7万円くらい使っている。

老後のお金を計算するなら、真っ先に削られそうな項目(笑)。でも、全部やめるつもりはない。

そこで65歳からは、ゴルフ代を月3万円にして計算してみた。

回数を減らす。お金のかけ方を変える。でも、楽しみそのものはなくさない。

すると65歳以降の生活費は、ざっくり月31万円。

65歳から69歳まで月10万円働くとすると、生活費31万円に対して、年金16万円+仕事10万円=26万円。

不足するのは月5万円。

あれ? 思っていたより、なんとかなるかもしれない。

問題は70歳からだった

ただ、70歳で仕事を完全にやめると話は変わる。

生活費31万円に対して、収入は年金16万円。毎月15万円足りない。年間180万円。10年間なら単純計算で1,800万円。

ここで思った。

老後って、いくら貯めるかだけじゃなくて、何歳まで、どんな働き方をするかが大事なんじゃないか。

70歳まで今と同じように働く必要はない。

でも、例えば70歳を過ぎても月5万円くらい、自分のできる仕事で収入を得られたらどうだろう。

月5万円でも年間60万円。10年間なら600万円。これは結構大きい。

そして何より、「貯めたお金が減っていくのを見ながら暮らす」だけじゃなくて、少しでも自分で稼げる状態を残しておく。

その方が、私は安心できる気がする。

現金はいくら持っていたら安心なんだろう

今回、一番知りたかったのはこれ。

60歳の時点で、現金1,000万円あればいいのか。 それとも、1,500万円必要なのか。

計算してみれば、当然1,500万円ある方が安心。

でも、その500万円を増やすために、これからの8年間を我慢ばかりして過ごすのも違う。

NISAを積み立てる。現金も残す。60歳以降も少し働く。そして、使うお金もゼロにしない。

どれか一つで老後を守るんじゃなくて、いくつかを組み合わせる。

今の私には、それが一番現実的なのかもしれない。

「いくらあれば安心?」に、答えはなかった

今回、本気で老後のお金を計算してみて、意外だったことがある。

最初は、「必要な貯金額がわかれば安心できる」と思っていた。でも、そうじゃなかった。

1,000万円あっても不安になるかもしれない。1,500万円あっても、「もう少し必要なんじゃない?」と思うかもしれない。

結局、安心するために必要なのは金額だけじゃなくて、これからどんな暮らしをしたいのか。

何歳まで、どんなふうに働きたいのか。

そこを考えることなのかもしれない。

私はゴルフもしたい。美味しいものも食べたい。旅行にも行きたい。でも、老後のお金のことばかり考えて毎日不安になるのも嫌。

だから今のところ、私が目指したいのは、

貯める。
増やす。
少し働く。
そして、ちゃんと使う。

全部をほどほどに。

52歳。まだ答えは出ていない。

でも、漠然と「老後が不安」と思っていたときより、数字にしてみたことで、少しだけこれからの道が見えてきた気がする。