前回、老後のお金は不安だけど、将来のために今を全部我慢するのも違うんじゃないか、ということを書いた。
じゃあ実際、私はいくらあれば安心なんだろう。
考えてみたら、ちゃんと計算したことがなかった。
なんとなく、「NISAは1,800万円まで埋めたい」「現金もある程度持っておきたい」そんなふうには考えていた。
でも、「ある程度」って、いくらなんだろう。
500万円?
1,000万円?
1,500万円?
全然わからない。だったら一度、本気で計算してみようと思った。
まず、60歳までにどこまで準備できる?
私は今52歳。現在、NISAには約400万円入っていて、毎月10万円を積み立てている。
目標はNISAの非課税保有限度額1,800万円を使い切ること。
ただ、ここでひとつ注意が必要だった。
NISAの1,800万円の枠は、今の評価額ではなく買付額(簿価)で管理される。だから、今のNISA残高が約400万円だからといって、そのまま「あと1,400万円」とは限らない。正確な残り枠は、証券会社の画面で確認する必要がある。
仮に今の400万円が買付額だとすると、今の月10万円の積み立てを60歳まで続けるだけでは、買付額として1,800万円には届かない。
じゃあ積立額を増やす? それとも60歳を過ぎても積み立てる? ここでもまた迷う。
なぜなら、NISAを1,800万円まで埋めることが、私の人生の目的ではないから。
ゴルフにも行きたい。美味しいものも食べたい。旅行にも行きたい。
将来のためにお金を貯めることは大切。でも、元気に動ける今の時間だって大切だ。
私の場合、家賃がずっと続く
そして私の老後を考えるうえで、大きいのが住まい。
私は持ち家ではなく賃貸。今の家賃は月15万円。
住宅ローンなら、いつか払い終わるかもしれない。でも賃貸は、住んでいる限り家賃が続く。
今の支出をざっくり出してみた。
家賃15万円、食費3万円、光熱費2万円、車5万円、ゴルフ7万円。これだけですでに月32万円。
スマホ代や日用品、医療費、美容、洋服、旅行や外食なんかを考えると、余裕を見て月35万円くらいは必要そう。
数字にすると、ちょっと怖くなる。
でも、60歳で完全に仕事を辞める必要はない
私は今の仕事を、このまま同じ働き方で60歳まで続けるのは難しいと思っている。
でも、「60歳になったら一切働かない」と決めているわけでもない。今の会社で働き続けることもできる。
管理職として今と同じように働くのではなく、負担を減らして、月10万円くらい働けたらいいなと思っている。
65歳からの年金は、今の見込みでは月18万5,000円ほど。もちろんこれは額面だから、実際に使える金額はもっと少なくなる。
そこで今回は、少し厳しめに手取り月16万円として考えてみた。
65歳以降も月10万円働けば、年金16万円+仕事10万円=月26万円。
思っていたより大きい。
「老後のお金は、貯金だけで全部準備しなきゃいけない」なんとなく、そんなふうに思っていた。でも、少し働くだけでずいぶん違う。
ゴルフはやめたくない(笑)
そして、私にとって大事なのがゴルフ。今は月7万円くらい使っている。
老後のお金を計算するなら、真っ先に削られそうな項目(笑)。でも、全部やめるつもりはない。
そこで65歳からは、ゴルフ代を月3万円にして計算してみた。
回数を減らす。お金のかけ方を変える。でも、楽しみそのものはなくさない。
すると65歳以降の生活費は、ざっくり月31万円。
65歳から69歳まで月10万円働くとすると、生活費31万円に対して、年金16万円+仕事10万円=26万円。
不足するのは月5万円。
あれ? 思っていたより、なんとかなるかもしれない。
問題は70歳からだった
ただ、70歳で仕事を完全にやめると話は変わる。
生活費31万円に対して、収入は年金16万円。毎月15万円足りない。年間180万円。10年間なら単純計算で1,800万円。
ここで思った。
老後って、いくら貯めるかだけじゃなくて、何歳まで、どんな働き方をするかが大事なんじゃないか。
70歳まで今と同じように働く必要はない。
でも、例えば70歳を過ぎても月5万円くらい、自分のできる仕事で収入を得られたらどうだろう。
月5万円でも年間60万円。10年間なら600万円。これは結構大きい。
そして何より、「貯めたお金が減っていくのを見ながら暮らす」だけじゃなくて、少しでも自分で稼げる状態を残しておく。
その方が、私は安心できる気がする。
現金はいくら持っていたら安心なんだろう
今回、一番知りたかったのはこれ。
60歳の時点で、現金1,000万円あればいいのか。 それとも、1,500万円必要なのか。
計算してみれば、当然1,500万円ある方が安心。
でも、その500万円を増やすために、これからの8年間を我慢ばかりして過ごすのも違う。
NISAを積み立てる。現金も残す。60歳以降も少し働く。そして、使うお金もゼロにしない。
どれか一つで老後を守るんじゃなくて、いくつかを組み合わせる。
今の私には、それが一番現実的なのかもしれない。
「いくらあれば安心?」に、答えはなかった
今回、本気で老後のお金を計算してみて、意外だったことがある。
最初は、「必要な貯金額がわかれば安心できる」と思っていた。でも、そうじゃなかった。
1,000万円あっても不安になるかもしれない。1,500万円あっても、「もう少し必要なんじゃない?」と思うかもしれない。
結局、安心するために必要なのは金額だけじゃなくて、これからどんな暮らしをしたいのか。
何歳まで、どんなふうに働きたいのか。
そこを考えることなのかもしれない。
私はゴルフもしたい。美味しいものも食べたい。旅行にも行きたい。でも、老後のお金のことばかり考えて毎日不安になるのも嫌。
だから今のところ、私が目指したいのは、
貯める。
増やす。
少し働く。
そして、ちゃんと使う。
全部をほどほどに。
52歳。まだ答えは出ていない。
でも、漠然と「老後が不安」と思っていたときより、数字にしてみたことで、少しだけこれからの道が見えてきた気がする。
